投球動作中、左右の腕は別々に動いているのではなく、お互いに連動性を持って動いています。具体的にはグラブ側の腕が「後ろ回し」、投球腕が「前回し」の関係で対称的に動き、釣り合いを保っているのです。
メカニズムの詳細についてはここでは省きますが、この両腕の関係を正しく利用した投球動作を行うことで、「両肩の回転を腰の回転に遅らせることができる」「腕の力みが抜け上半身の動きで腕を振ることができる」「両肩の回転の遠心力を最大限に生かすことができる」「腕に最大の“しなり”が生まれる」「より前でのボールリリースが可能となる」「腕の振りがシャープになる」など、上半身と腕の振りの連動による数多くのメリットが得られます。
ですから、肩の動きづくりのエクササイズでは、単に肩の動かしやすさを高めるストレッチや体操だけに留まらず、真の「動きづくり」として、正しい上半身の連動動作を行うための複合的なドリルまで行うことが大切です。
そして、そのドリルに「カーツ」を用いることで、投球の上半身の連動動作に必要な筋肉を直接的に発達させることができます。 |